「この親子で、今の日本から出る。生きるために。」
目次
第5話:「建築業界 THE リアルTV」との出合い

この国は—
私たちを守ろうとしていない。
嫌われている?そんなものじゃない。
きっと、憎まれてさえいる。
きっかけは、一本の動画でした。
「大阪万博 開催前 作業員の忠告と本音 絶対に行かない方がいい」
大阪・関西万博の建設作業員は、過酷な労働環境に直面しています。会場となる人工島・夢洲では、直射日光を遮るものがなく、高湿度と相まって熱中症のリスクが高まっています。さらに、日陰や水分補給の場所が限られており、作業員からは不満の声が上がっています。
微かにわかっていたことの答え合わせになりました。
YouTubeというのは、不思議な場所です。
ある日、ふいにタイムラインに現れる一本の動画。
そのサムネイルの中に、まさしく“今の自分に必要な言葉”が詰まっていたりします。
まるで、見えない誰かに「今、これを受け取って」と差し出されたかのように。
偶然の顔をした、必然のメッセージ。
つづく
第4話:動き出すための準備

「動き出すためには早めに手を打つ」
それが私の方法です。
未来に備えて今できることをしておくことに無駄はありません。
見えない未来に向けて種まき。それをするのに早すぎることはないからです。
つづく
第3話:おまじないの言葉を歩く

「必要なことだけ残る、そのあと豊かさやってくる」
この言葉をおまじないのように唱え続けた、この1ヶ月間。
金銭的に苦しく、もうどうにもならないと匙を投げそうになったとき、買い出しの行き帰りの道で、歩くリズムに合わせて繰り返し呟いた。
それでも、不安がる自分の心をなだめるために、なんでもいいから言葉が必要だった。
そうでもしなければ、いてもたってもいられず、娘の前で笑顔をひとつも作れなくなる恐れがあった。
だから、やむなくそうしていた。
けれど、続けるうちに、少しずつ流れがそちらに傾きはじめた。
「本当に大切なものだけ残る」。
今日は、その効果をこれまで以上に実感できた日だった。
詳しく書くのはヤボなので控えるけれど、必要な仕事だけが残り、不安を感じていた仕事は消えていく。
そうした流れが、確かにやってきたのだ。
「母と娘、日本逸出」。
どこか遠い夢のように感じていたこの言葉が、昨日、そして今日でぐっと近くなった手応えがある。
つづく
第2話:ゼロから始まる物語 — すべてがここから動き出す

- 自分を責める必要はない
- これまでの経験をどう活かすか
- ここからどう動くのか
1年間で私は貯金を全て使い果たしてしまった。
あんなにあった貯金は今は7万円ちょっとに目減りし、こんなことになる前にもっとなんとかできなかったのか——そう思うのは当然かもしれない。
でも、だからといって遊んでいたわけじゃない。
家事をこなし、中学生の娘を育て、週に2回、火木曜日のN中等部のネットコースで1日も欠かすことなく親子共学で机を並べてきた。
そして、自分の夢に向かって「書いて食べていくこと」に特化し、歴史小説を執筆しながら3つの文学賞に応募をした。そのうちの2つはすでに落選の通知を受け取ったが……。
この1年間は決して無駄ではなかった。今ここで、経験をどう活かすか、そしてここからどう動くかが肝(きも)なのだ。
貯金はいったんゼロになる必要性があったのだ……そう、自分でもうっすら気づいていたことに。
その詳細は以下の記事に記しています。
つづく
第1話:電気代24,691円から始まった脱出計画

冬の電気代が24,691円(1月分)
2月分は19,805円。
親子二人暮らしで、この額。
異常だと思った。
暖房をつけなければ、寒さに震え、健康を損なう。
だからつける。
そして、請求書を見てため息をつく。
搾取だと思った。
「冬だからこそ、暖房費の負担を軽くするのが電気供給元(ひいては日本政府)の人情ではないか。」
怒りが込み上げた。
そして、ふと思った。
「もう、出よう。私たち、この日本を逸出しよう。」
つづく
序章

今の日本にいなくちゃいけない理由は何もないかもしれない。
気づいてしまったことは、私たちはこの国に縛られている必要がないということ。
物価高騰、電気代の高額請求、マスク生活の逆戻り、感じられない政府の温もり、未来への不安。
これらが積み重なり、私たちはもう、「このままでは生きていけない」と強く感じるようになった。
ここにいて私たちはこれからどうなる?
私たちは国に守られていない。
この国の温かみが年々薄らぎ、心が冷える。
社会の支援を期待しても、それは届かず、ただ経済的な負担だけが増していく。
無力さと絶望感が日々の中で重くのしかかり、心の中に大きな空虚を感じている。
私たちは、この国で未来を見つけることができるのだろうか?
今、気づいてしまった。
私たちが未来に希望を持てる場所は、別の国かもしれない。
ここにいても、私たちの心はどんどんすり減る一方だ。
だからこそ、私たちは決意する。
新しい土地で、新しい未来を築くために、今、日本を脱出しようと。
はじめに:私たちについて

- 母:40代後半のシングルマザー(2023年5月15日〜)/無職
- 娘:15歳・中学3年生/天台宗立の中学校を自主退学・N中等部ネットコース在学(2024年1月〜)
- 金銭面で頼れる人は誰もいない
- 親兄弟、別れた夫にお金のことは頼れない。
- 前夫には、子どもの親権を快く譲ってもらえた恩がある。
- 離婚時に夫婦の財産分与を受け取った。
- 親には20代半ばで借金を肩代わりしてもらったことがあり、金銭面で信用されていない。
- 離婚してシングルマザーとなった私の懐具合を両親は一度も聞いたことがない。おそらく聞くのが怖いのだろう。金の無心をされたらたまらないと思って触れずにいるのだろう。